ぐらんぴ日記

mixi上で「ぐらんぴ」が書いている日記の引っ越し版です。文字サイズ変更できます。

「晩鐘」が怖い!(ダリと母子相姦)


このタイトルで読みにこないやつはたたッ切る!(^_^;)

この一週間、自主的に「失業」と定め「うあー、仕事がない」などと言いながら美術館に行ったり音楽聞いたり本を読んだり散歩したりしてた。
しかし本を読みきれたのは中野京子の『怖い絵2』だけだった。

『怖い絵』はとても面白かったので、さっそく2も買ったのだけれど、いや、これも面白かった。
本当に怖い絵を「怖い」と思う才能は凡人にもあるが、ちょっと見ただけでは怖くない絵を「怖い」と思う才能は非凡人にしかない。中野京子女史はそういう才能を持っている。つまり見えるものだけを見るのではなく、見えるものの背後にあるものを見る、という才能。それは非凡な想像力ということになるのだろうけど。
赤瀬川現平や横尾忠則も似たような才能があって似たような本を出しているけれど、それとはちょっと違う。
自分で絵を描く人と描かない人では見る方法が少し違うのかもしれない。

今回の「2」では、なんとミレーの『晩鐘』だ。
「これのどこが怖いの」と思うでしょ。
「怖い」というのは中野京子女史ではなく、ダリなのだ。
そう、サルバドール・ダリ。

一日野良仕事してる農夫とその妻。体つきからしてまだ若そうだ。
日が暮れてバルビゾン村のサン・アンジェラス教会の鐘が鳴る。晩課の鐘だろうから午後五時ぐらいかな。それはつまり一日の仕事の終わりを告げる鐘で、じゃがいも掘りに精を出したらしい夫婦はその収穫を横に、神のめぐみに感謝の祈りを捧げている――というのが従来の、というかふつうの解釈。
これに敢然と(かね)異を唱えたのがダリなのだ。
彼は、「これは嬰児の埋葬だ」と言うのだね。

ぎょええ、とのけぞり驚くではありませんか。でもダリは冗談で言ってるんじゃなくて、本気でそう言ってるらしい。
妻の足元に籠があるでしょ。バスケット。まずあれが怪しいというのだね。
さらに画家として、彼は夫婦の姿を見て、これは「夫婦ではない、母子だ」と看破するの。
看破って、ダリしかそんなことは言わないのだけれど。
「この母と息子は近親相姦して子供を生んだ。その子供は育てるわけにはゆかないので、こっそり埋葬した。これは埋葬をすませたあと、祈っている図だ」
うへへえ、何という妄想を、と思うでしょ。

でもダリがあんまりムキになって言うので研究者がこの絵をX線で検査したんだって。そうしたら籠が描かれる下には壷のような別の容器が描かれていたらしい。
なぜそれがバスケットになったのか。
どうもなにか複雑ないきさつがあったらしい。
「嬰児を埋葬した光景だ」というダリの考察は「現状では肯定もできないが否定もできない」というのが中野女史の意見。彼女もこの絵のなかになにかを見て(幻視か)いるらしい。

しかし、なんでダリがそんなことを言うのかといえば、ダリは幼い頃、母親と近親相姦をしたからだ、というんだね。だからピンときたらしい。
そのことは事実として自伝かなにかで公表しているらしい。人によっては「妄想だろう」とも言うが。
まあ鬼面人を驚かすダリのことだから、たいていのことには驚かないけれど、この絵がもし嬰児を埋葬する母と息子だとしたら、それは実に怖い絵だよね。
しかもダリは「母親のほうは仮面をつけている」と言うんだって。
そう……見えるかな。

というわけで、『怖い絵2』は面白い。特にこんなふうななんでもないような絵が怖いと言われると、それだけで快感でゾクゾクするではないか。(^_^;)

しかしこんな説がひろまると甲府美術館なんか困るよなあ。あそこはミレーを売りものにしてる。

このミレーという人物、農民作家なんて思われてるけど、その一方でエロな絵をどんどん書いてたみたい。純文学だといいながらポルノを描いてる作家みたいなもので、その正体は思われてるより複雑な(裏がある)画家のようだ。








写真

(どうせもうサービス画像)
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コメント

晩鐘

中学校の美術か何かの教科書でこの絵が出ているのを見た時、この絵に極めて不自然さを感じた。農作業の後にお祈りをする農民の姿など世界中どこを探してもないからだ。
納得したのは、絵を初めて見てから20年後に、ミレーは画商に言われて遺体バスケット隠したということを知ったからだ。よく見てください。本当に不自然な絵です。

親子と言うよりは兄妹(姉弟)に見えるけどね。

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官能作家・館淳一。趣味は路上観察、雑学研究からセーラー服ウォッチング、美女装子探しまで、なんでも探索。
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