ぐらんぴ日記

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見慣れていた建物なのに


近所を散歩していると、建物が取り壊されてポッカリと空き地になっているのに出くわすことがある。住宅街はけっこうその頻度が多い。麻布に住んで30年にもなると、引っ越してきた時にあった家屋建物がそのまま残っているというのは珍しくなった。ある時調べてみたら、引っ越した時そのままの建物残存率は1割ぐらいだった。

建物が取り壊されて、更地になったその場所に立って、いつも思うのは、

「えーと、ここにはどんな建物があったんだっけ?

しばらく考えても分からないことが多い。ごく近所でしょっちゅうその前を通っているから網膜にも脳にも焼き付いていて、すぐ思い出せそうなものだけれど、それがなかなか難しい。思い出せないままに新しい建物がその場所に建ってしまうことも珍しくない。

加齢による記憶力の減退(つまりボケ)のせいでもないと思う。若い頃からこの現象はあった。
ある日、突然に見慣れた風景のなかでぽつんと空き地が出現した時、そこに何があったのか思い出せないことは、みなさん経験していないだろうか。

もちろん、その建物と自分の間になにかつながりがあれば思い出せる。商店であればそこで何か買ったとか、飲食店であれば何か食べたとか、住宅であれば住人を知っていたとか、中に入ったことがあるとか、そういう繋がりがあれば思い出せる。

つまり、思い出せないというのは、「繋がり」がなかったからなのだ。
よほど特徴があって、ぼくのような陋屋趣味の人間の好奇心をそそるよう建物でないかぎり、いつも見慣れた風景のなかの見慣れた建物というのは、実は、

目に入っていない。

そういうことなのだ。
記憶には優先順があって、なにかひっかかりがあるものから取り込んでゆくのではないだろうか。見慣れた光景というのは、実は「ほとんどひっかりがない」のだ。ぼくたちは見ているようで見てなかったのだね。だからその建物が消失しても思い出せない。
人間にしてもそうなんだろうと思う。同じマンションの住民でも、死んで一年もしてから「あの人亡くなってたんですよ」と教えられて「はあー、どんな人でしたっけ」。

「陰が薄い」というのは、つまりはそういうことなんだろう。
お、そうすると建物にも「陰の薄い建物」というのがあって、そういう建物が記憶にとどまらないということになるのか。
「陰の濃い建物」は壊されても思い出すことが出来る。
壊されてしまった三信ビルなんか、今でも細部にいたるまでありありと思い出せるものなあ。
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官能作家・館淳一。趣味は路上観察、雑学研究からセーラー服ウォッチング、美女装子探しまで、なんでも探索。
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