ぐらんぴ日記

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街角の樹木(モチノキ) 2012年01月09日 19:47

正月の2日、動かないでいては太るばかり。午後、うららかな陽射しなので少し歩いてみる気に。
かといって人ごみのなかに出る気はしないので、青山霊園を抜けてみた。
久しぶりにトーマス・ベイティの墓に手を合わせる。管理費は今は外務省から出ているはずだが、墓域の清掃、供花は生前、ゆかりの人が行なっているとのこと。きれいに掃き清められていた。しかし没後半世紀以上を閲している。生前ゆかりの人も少なくなっていることだろう。

青山通り方面へ抜けようとすると、なんとなく目についた木がある。最初は根だった。
四方に伸ばした根が地上に盛り上がり、墓間の敷石を蹂躙というかなんというか、下から持ち上げ押しのけている。

モチノキ根

「強い生命力だなあ、なんという木かな」
眺めてみても乏しい知識ではサッパリ分からない。樹木の多くは上に伸びるにつれて散開するかすぼまるかだが、この木はもわもわと広がるが纏まりがない。

モチノキ1

常緑樹であることは確か。幹は白っぽい、わりとなめらかな樹皮で覆われている。

モチノキ2

こういう名を知らぬ樹木の名を知りたい時は、葉を一枚、持ち帰ることにしている。

モチノキ葉


別の場所では同じ樹木が赤い実をやたらにつけているのを見つけた。それはデジカメで撮影しておく。それにしてもすごい量の実だ。これだけあれば都会の鳥も餌に困ることはないだろう。

モチノキ実

青山通りの『ピーコック』まで出て買物して帰り、さっそく樹木の同定にかかる。私の秘密兵器は、
林将之『葉で見わける樹木(改訂増補版)』(小学館、フィールドガイド23)
である。これが実に優れている。一枚の葉があれば、たちどころにその樹木の名前を教えてくれるのだ。
といっても、ある程度のキーワードが必要だ。

(1)葉の形。分裂しているか、分裂していないか。複葉か。針葉か。
(2)葉の付きかた。対生か互生か。束状か羽根状か。
(3)葉の縁の形状。ギザギザ(鋸歯)があるか、無い(全縁)か。
(4)常緑樹か落葉樹か。

この木の場合、葉の形は不分裂、葉の付きかたは対生。葉の形状は全縁。そして常緑である。
そうすると、このキーワードに合致する二十数種の木が列挙される。その中から葉の形状が一致するものを選べばいい。すぐにヒットしましたね。

モチノキ(黐木)

モチノキ科モチノキ属の小高木。幹は直立して整った卵形の樹形になる。樹高5~10m。東北地方南部~沖縄にかけて分布。身近な低山から海岸に点々と生える。庭木、公園樹、生け垣。



モチノキという名前の由来は、小鳥をくっつけて捕える鳥もちの材料となる木だったからだそうだ。白っぽい樹皮を剥がして長期間水に晒すと木質が溶解し、最後はねばねばドロドロの繊維質が残る。これを竿の先につけて小鳥を狙い、捕まえたという。私や見たことありませんが、江戸時代の職業に「鳥刺し」というのがあるぐらいだから、かなり重要な資源樹ではあったよう。

モチノキの説明を読んでいて、ついニヤリとしたのは、「常緑樹の葉は個性が乏しいのが多いが、モチノキはその代表格。平凡な葉の形をしているが、逆に、その特徴のなさが特徴といえる」という部分。
そこで改めてモチノキの葉をしみじみ見てみたが、いや、確かになんの特徴も感じられないねえ。形といい色といい葉脈の存在感のなさといい、不分裂・互生・全縁・常緑の樹木のなかでのぼんやり加減といったら、本当に官能小説界のなかの誰かさん的存在であるな。(なんか自虐的)だからというわけではないが、いやあるが、なんとなく愛着というか親近感を抱いてしまったではないか。

秋になると赤い実をいっぱい付ける。同属にクロガネモチというのがあって、ほとんど見わけがつかないので、ひょっとしたらクロガネモチかもしれないが、ある書には北限が静岡県と書いてあったので、だとしたらこれはモチノキでいいということになる。
まあ、さほど特徴はないけれど、亭々として枝葉を茂らせる穏やかな無個性?が愛されて、街のあちこちに植えられている。諸氏も散歩がてら通勤の合間、モチノキを探してみるのもよろしかろう。


イイネ!(2) くまくま('(ェ)') 退会したユーザー
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コメント

わらねこ@笑夢猫 2012年01月09日 20:23
その本はオススメです。
この木、何の木?の質問に、最初に使う本。

コメント

霞 2012年01月09日 21:29
へえー、あれ、「モチノキ」っていうんですか?
弟が、あれを細竹の先に塗りつけては、セミだのトンボをたくさん採って帰ってくる。場所は、学習院の森。じきに番兵(当時)に追われて逃げ帰ってくる。たくさんの昆虫は、しっかり袋に入れたり、指の間にはさんだりして。

もちと呼ぶそれは、近所の駄菓子屋に売っていました。

わたしも昆虫好きなので、美ヶ原の蝶は、ほとんど採取したとおもいます。「あさぎまだら」「おおむらさき」「シジミチョウ」にいたるまで。禁止される前ですけど。

それぞれの食草を知っていれば、もっと楽にとれたでしょうね。
高原の楽しい記憶です。
コメント

ぐらんぴ 2012年01月10日 10:13
>霞さま そうですか、鳥もちで虫をとった経験がおありですか。その頃のは本当の「鳥黐」だったでしょうね。最近売られているのは、合成のものなんだそうです。

ぐらんぴ 2012年01月10日 10:16
ちなみにモチノキは雌雄異株なんですね。イチョウと同じ。私が最初に見たのは(写真の左、中)は雄だったようで、赤い実をつけていませんでした。他のモチノキがたわわに実を付けてるのに何でかなあ、と思ったのですが、そういうことなんですね。

退会したユーザー 2012年01月10日 10:26
実はワタクシも樹木の本を一冊持っています

柄にもなく(^^;)

最近は縛りに忙しく山に行く機会が減りましたが、以前は月に二回は野営をしに行ってました

それも寂しくソロで…

まっ 協同作業が苦手なので気楽でいい部分はあるのですがぁ

ソロでの野営では、やる事がなくヒマヒマな時間が出来るときがあります

そんな時のためと思い樹木の教科書を買ったわけなんですが、あまり使いませんでした(^^ゞ

久々に引っ張り出してパラパラと見たい気分になっています



PS、勤務地サイドに赤い実を付けた木があります

もしかしたら…葉っぱを拾って帰り屋敷で確認してみます
コメント

ぐらんぴ 2012年01月10日 14:08
>Monkoさん 冬の樹木は赤い果実をつけるのが多いのです。南天が代表ですが、北国、山国はナナカマドが目につきます。

霞 2012年01月10日 18:41
駄菓子屋で売っていたのは、昆虫用のものですので、おっしゃる「モチの木」とは違うのかな? と、考え直しました。
茶色い粘ついたもの。小鳥も採れるかもしれませんが、あるいは、昆虫用とは違う木なのかもしれません。母は、弟が採取に夢中のあまり、シャツをべとべとにしてしまうので、困ってましたけれど。
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