ぐらんぴ日記

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路傍の花(オオヨモギ) 2011年12月03日 17:44


オオヨモギ


JR高田馬場、戸塚口から山手線外側を新宿方向へ。事務所への道をぶらぶらしながら、例によって土手の野草を観察して歩く。
11月までは入れ替わり立ち替わりさまざまな野草が花を咲かせていたパラダイスも、12月になるとさすがに花々も影を潜めてなかなか見当たらない。
それでも目を凝らして探索してゆくと、小さな筒状の花をずらりとぶら下げた野草を発見。色は褐色めいた紫色で花は直径3ミリぐらい。高い茎に円錐花序を呈しているが、傾斜地のせいで茎は横倒しになっている。
接写して花姿を大きく撮ってみたが、ふつうに歩いていてはまず目にとまらないぐらいの地味すぎる花をもつ野草。
はて、何という草だろうかと植物図鑑をひっくり返してみたけれど分からない。
探しあぐねて twitter で「この花はなんでしょうか」と尋ねてみたら、近藤ようこさんが「ヨモギではないでしょうか」と回答してくださった。
えーッ、ヨモギならどこにでもある見慣れた葉っぱをもつ野草。本当かいなと植物図鑑を見直したら、確かに花はそっくり。ただ図鑑は葉のほうを詳しく説明しているので、発見しにくかったのだ。

ヨモギ(蓬)

ヨモギの葉

キク科ヨモギ属の在来種。昔から葉を刻んで餅にねりこみ草餅としたので、餅草とも言われる。全国どこの路傍、空き地にも見られる野草で、地下茎を伸ばして増えてゆく多年草。葉っぱには独特の香りがあるので、いわば和風ハーブだね。


春の若葉を摘んで、天ぷらにすると、アクがないのでとても美味とされる。
食用になるほか、葉の裏の白い綿毛を集めると、お灸に使うモグサ(艾)になる。このモグサは非常に火が点きやすいので、ヨモギからモグサを作る作業場は人家から離れたところに作られるのが常だったようだ。燃えやすいから「ヨクモエルキ」で、ヨモギになったという説もある。まあ、いまの人でヨモギをこの目で見た人は少ないかも。
ネット上ではヨモギの食べ方の他にモグサの作り方を教えるサイトはいろいろあるので、ヨモギを見つけたらいろいろ実験してみるのがいいかもしれない。何せ、そこらへんどこにでもあって目につかないほうがおかしいというぐらいの草だ。煎じて茶にすれば胃腸によろしく、血糖値を下げ血圧を下げ抗癌作用もある。健康食品としてヨモギはかなり普及して、沖縄では栽培もされている。

ただ一つ、ヨモギのデメリットは、ブタクサと同じような風媒花であるから、花粉アレルギーをもたらすこと。9月〜10月の花期には近寄らないほうがいいかもしれない。

補遺:これを書いてのち、諏訪の山中に住むアートデザイナーの荒川じんぺいさんから「葉の形、花の枯れかたからして『オオヨモギ』です」と指摘がありました。 当初ヨモギと書いたのをオオヨモギに訂正しました。


オオヨモギの葉


↑これがオオヨモギの葉。葉の裂け目が深い。

その名のとおり、ふつうのヨモギより大きく成長するもので、山地に多いのでヤマヨモギとも言われます。若菜を食すること、草餅にすること、モグサを採ることなど、ヨモギと同じです。大きなヨモギと小さなオオヨモギの区別は専門家でも難しいらしいとか。

イイネ!(1) Commander-紫弩
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コメント

ぐらんぴ 2011年12月03日 18:10
ヨモギから作られるモグサ。百人一首には二首、登場します。
一首はこの前の日記「歌枕見てまいれ」で書きましたね。

かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしもしらじな燃ゆる思ひを
               51番 藤原実方朝臣
ではもう一首は?

たっちん 2011年12月03日 18:14
子供のころ、転んで怪我をしたとき、傷口にヨモギの葉をすり込んだ記憶があります。本当に効くのかわかりませんが、あのころは唾と草が薬でした。
コメント

ぐらんぴ 2011年12月03日 19:22
>たっちんさん ヨモギが切り傷に効くというのは昔から言われてますね。調べてみると、タンニンの殺菌作用と精油成分フラボノイドの殺菌作用が相乗効果があるそうです。本当に効いたんだと思いますよ。(^_^)
私はそういう記憶がないのですが、どうも北海道の最北端にはヨモギは生えてなかったようです。成育地は本州までなんですね。

縛師ダディ 2011年12月03日 19:56
ヨモギはありふれた草で良く目に付く草ですよ^^、草餅にするため良く江戸川の土手に取りに行きます(^-^)



ぐらんぴ 2011年12月03日 21:47
>縄師ダディさん いえ、私もヨモギの葉っぱなら知ってるんですよ。見慣れている。ただヨモギの花は知らなかった。それとオオヨモギだったので、葉っぱの形がヨモギとは少し違っていた。それで戸惑ってしまったんですね。オオヨモギの葉はヨモギより険悪な感じですので。

ぐらんぴ 2011年12月03日 21:49
上の写真のオオヨモギの葉と、中の写真のヨモギの葉を見比べると、その違いが分かるかと思います。

たっちん 2011年12月03日 23:59
百人一首、一通り読んだのですが見つかりませんでした。

ぐらんぴ 2011年12月04日 01:20
>たっちんさん 専門家でもちょっと気づかないで通りすぎちゃう、そんな歌です。75番 藤原基俊。「契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり」の「させも」が「さしも草」つまり「モグサをとる草、ヨモギ」ということです。「命」にかかる縁語ですね。この詞書にある「標茅ヶ原」の歌(「なほ頼め標茅ヶ原のさせも草わが世のなかにあらむかぎりは」)という意味が分からないと何がなんだかという難解な歌なんですがね。

ぐらんぴ 2011年12月04日 02:43
実方の「かくとだにえやはいぶきのさしも草」は、江州伊吹山の山麓がオオヨモギの栽培地で良質のモグサを産したことにより、「いぶき」がさしも草の縁語になっています。
一方、標茅ヶ原というのは下野(しもつけ=栃木県)にあってやはりヨモギの産地。これもさしも草の縁語となり、基俊の歌に用いられているんですが、下野にも伊吹山というのがあって、ここもまたモグサの産地。
「いぶきやま」が江州、下野、どちらの山を指すのかはいまなお見解が分かれるところです。私は江州伊吹山説です。
モグサはじりじりとくすぶり続けながら燃えてゆくので、そういう恋の様態を表現するのに「さしも草」「させも」が隠喩として用いられたわけですね。

たっちん 2011年12月04日 08:43
何となく読み流してしまう中にも、色々な意味があるんですね。命の縁語というのは初めて知りました。本当に久しぶりに和歌の良さを味わった気がします。ありがとうございました。
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官能作家・館淳一。趣味は路上観察、雑学研究からセーラー服ウォッチング、美女装子探しまで、なんでも探索。
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