ぐらんぴ日記

mixi上で「ぐらんぴ」が書いている日記の引っ越し版です。文字サイズ変更できます。

春日八郎ならこれだ。


(演歌の話題です。興味のないお若いかたはスルーしてください)

7月は春日八郎の月だった。
『浮草の宿』がどうにもうろ覚えで、ちゃんと聴いてちゃんと歌いたいと思い、いろいろ検索してもアップされていない。
仕方ないとばかり『春日八郎ベスト★ベスト』という全三巻の CD 全集を買いましたよ。ええ、ヤフオクで。3000円だったかな。
しかしどうして演歌は iTune Storeで買えないのかなあ。ぷんすか。

春日八郎といっても知らない人が多いだろう。
三橋美智也と双璧だった「演歌スター」である。
戦後、「流行歌」というのが隆盛した。進駐軍文化を象徴する明るくポップな大衆歌謡である。大衆童謡といってもいい。さすがに昭和20年代も後期になって、日本の占領が解除される頃になると「もっと日本人の原点に回帰した歌」というのが望まれ、生まれてきたのが「演歌」である。
その演歌で一世を風靡したのが三橋であり春日であるのだが、デビューがほとんど同時で最初っから二連装五十センチ砲みたいな存在だった。この二人が歌いまくってあとから美空ひばりが参戦して島倉千代子が出てきて、演歌はその座を歌謡界に占めることができたのである。

ぼくは最初っから三橋美智也ファンで、春日八郎も好きだったけれど三橋のようにのめりこめない部分があった。それはやはり、民謡出身の三橋にない、クラシック歌唱も身につけた春日の、少しバタ臭いところだったかもしれない。今となっては死語だけれども、春日八郎は三橋美智也よりもハイカラな気分を身につけていたのである。三橋は東北北海道の田舎者の泥くささをどうしようもなくぷんぷんさせて、それが北海道道産子であるぼくの心情にはマッチしていたのだろうねえ。

……って、まったく誰にも受けそうにない話だな。まあ、いいや。
少し受けるかな、って雑学。

『こちら亀有三丁目交番』の両津勘吉は春日八郎のファンで、春日八郎の名前は作品に「八ちゃん」として二度登場する。

そんなこと、おれも知らなかった。(笑)
作者は春日八郎と同郷なのかね。

二人の全盛はぼくの小学生高学年から中学校あたりに重なる。高校でモダンジャズの洗礼を受けるまでぼくは「ど演歌」世代であった。島倉千代子が札幌で初公演した時は学校さぼって行きましたぜ。薄野松竹遊楽館。(笑)

しかしまあ春日八郎は三橋ほどのめりこんではなかったから、ほとんどの歌が歌えるというわけではなく、実はデビュー曲『赤いランプの終列車』もハッキリ歌えない。一番好きだったのは『浮草の宿』だった。
港町の酒場で出会った男と女の歌ということでね。まあ港町に生まれたぼくには親近感があったのだろうか。
ちなみに春日八郎畢生の大ヒットとなった『お富さん』だが、これは確か小学校六年生の頃だと思うが、学校から「子供には歌わせないように」とお達しがきたぐらい、猫も杓子も毎日お富さんを歌って浮かれ狂っていた時代があったのである。
しかし私やあまり歌いませんでしたな。ありゃおやじが酒場や宴会の席で歌って騒ぐ歌である。子供が歌う歌じゃない。ええ、歌えますけどね。(笑)
しかし子供は歌舞伎の「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」源氏店(げんやだな)の場なんて知ってるわけがない。まったく意味も分からずチンプンカンプンで歌っていたのである。
(後年、歌舞伎座でこの芝居を見て、「おお、これだったのか」といたく感動した(笑))その段の台詞はこうだ。

(与三郎)もし、御新造さんえ、おかみさんえ、----お富さんえ、イヤサお富、久しぶりだなあ。
(お富)そういうお前は。
(与三郎)与三郎だ。
(お富)えっ。
(与三郎)おぬしァ俺を見忘れたか。
(お富)え、------。
(与三郎)しがねえ恋の情けが仇、命の綱の切れたのを、どう取りとめてか木更津から、めぐる月日も三年(みとせ)越し、江戸の親にゃァ勘当受け、よんどころなく鎌倉の、谷七郷(やつしちごう)は食い詰めても、面(つら)に受けたる看板の、疵(きず)がもっけの幸いに、切られ与三(よそう)と異名(いみょう)を取り、押し借り強請(ゆすり)も習おうより、慣れた時代の源氏店(げんやだな)、その白化(しらばけ)か黒塀の、格子作りの囲いもの、死んだと思ったお富たァ、お釈迦様でも気が付くめえ。よくまァおぬしは達者でいたなァ----。


脱線した。(笑)
まあ三橋の歌はだいたい歌えるけど、自分的には、春日の歌は「浮草の宿」がベストで、あとは「あん時どしゃ降り』に『別れの一本杉』ぐらい。それほど執着がなかったのであるが……。

CD 3枚組全36曲を iPod に納めると、あとはこれをシャッフルして毎日毎日飽かずに聴いていた。どこかに出かける時は、だが。
おかげで歌えるようになった『浮草の宿』。これってあんまり人気は出なかったみたいね。 YouTube 動画にもアップされていない。うーむ。

春日八郎の歌を聴き直しているうち「え、こんなのがあったっけ」と思ったのが、

『あれから十年たったかなぁ』

かすかに聞き覚えがあるのだけど、ほとんど忘れていた。

YouTube 動画をアップしておくから、聴くように。


「なんでこんな歌がいいんだ」

そう思われるだろうけど、いい悪いの問題じゃないのだ。いわゆる望郷歌謡の一つなんだろうが、つくづく身にしみるのだよ。

♪俺の帰りを 待ち切れず
嫁に行ったと たよりを前に
あの娘恨んで 寝もやらず
飲んで明かした あの夜から
ああ もう十年 たったかなぁ

                (作詞 矢野亮)

ふられたことのない男には分からんだろうが、まあ、分かる男には分かるだろう。(笑)
発表は1957年かな。春日はデビュー前、食うや食わずの極貧に喘いでいた。それからほぼ10年後だ。自分の想いが歌にのっている。

まあそういう春日の歌についほろりしみじみしたおじさんなのであるよ。
うーん、文句あるか。

残念なことにカラオケに『あれから十年たったかなぁ』はないだろうね。

「お富さん」についての反響があまりに多いので、4番までちゃんと入ってるカラオケ版を↓に。




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官能作家・館淳一。趣味は路上観察、雑学研究からセーラー服ウォッチング、美女装子探しまで、なんでも探索。
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