ぐらんぴ日記

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新宿『五十鈴』

ルポライター(フリージャーナリストというのか)有田芳生氏のブログを読んでいたら、こういう段落があった。

帰りに新宿を歩きながら過去の風景が鮮明に思い出された。ここはかつてコの字型をしたカウンターだけの店で、中高年の女性だけが働いていた。そう、クサヤを食べたのははじめてだったな。いつも最後に食べていたおにぎりが懐しい。最高齢の女性は70歳を超えていた。まだ20代だったからとても感動したものだ。カウンターの向こうに座る客の顔を観察しながら飲むのが楽しみだった。

おお、と思った。これは『五十鈴』だ。
新宿東口にあった「お茶漬け屋」だ。
でも実態は単なる「居酒屋」で、しかも昭和40年代には珍しく、朝まで営業していた。
ぼくは大学生時代、フジテレビの番宣でアルバイトをしていて、仕事で遅くなった時はアルバイト仲間(みな大学生だった)この店に寄って一杯やり、何かを食べてから帰宅したものだ。
当時は渋谷区本町に住んでいたので、新宿からならその気になれば歩いて帰ることが出来た。実際、夜がしらじらと明ける頃、五十鈴で金を使い果たし、広大かつ荒涼とした淀橋浄水場跡地を抜けてアパートまでトボトボと歩いたものだ。
東口広場が再開発状態になり、気が付いてみたら『五十鈴』は消えていた。当時としては清潔で料理もそこそこでしかも安かった。深夜に行くと、今でいう「ギョーカイ」の人でいっぱいだった。新劇関係半分売れないタレントという人が多かったな。

のちに「あの『五十鈴』はどうなっただろうか」とネットで検索しても、まったくひっかからなかった。誰の記憶にも残らない店ではなかったはずだが、と思っていたら、紀伊国屋書店の田辺茂一の回想記『わが街・新宿』に店名が挙げられていて嬉しかった。
地元ではそれなりに愛された名物女将の店だったのだ(五十鈴はおかみさんの名前か)。
次に椎名誠のエッセイでぶちあたった。椎名がまだ売れる前あたりのエッセイで、それを読めば昭和の50年代後半まで営業していたことが分かる。

単なる個人的に「なつかしい店」でしかないのだが、ぼくより10歳若い有田氏も「なつかしい店」として覚えていることに思わず嬉しくなってしまう。カラオケで思いがけず昔歌った古い歌(今は誰も知らない)を歌うやつに出会ったような気分ね。
「そうか、きみもあの店に通ったのか。同じ空気を吸って働いていたんだ」
なんとなく「同志」的な感情を抱いてしまうではないか。
しかしネットで新宿「五十鈴」に関する情報が見つかったのは、これが初めてだ。

ところで有田芳生氏は「ほうせい」と有職(ゆうそく)読みしていたけれど「よしふ」というのが正しい名前なんだね。知らなかった。
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官能作家・館淳一。趣味は路上観察、雑学研究からセーラー服ウォッチング、美女装子探しまで、なんでも探索。
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