ぐらんぴ日記

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暗闇に鳴る着メロ

「なんだかヘンな気がする」
JR線尼崎の事故に関する報道をテレビで見ながらカミさんが言う。
ぼくらは食事を、ワインを呑み、テレビを見ている。
変わらぬ日常の向こうでは、まだ救出できない車両のなかに閉じこめられた人々がいる。
「20人ほどの乗客が閉じこめられているようですが、生きている反応はありません」
事件発生から30数時間ちかくたって、まだ「そこにいる」人々に手が届かないもどかしさ。先頭車両が飛び込んだのがマンションの駐車場だというのが問題だった。レスキュー隊員がインタビューに答えていた。
「電車なのにタイヤがある。頭が混乱しました。電車と自動車が複雑に入り組んでいたんです」
自動車はガソリンがある。火花を散らすカッターが使えない。手動の缶切りの大きいような機械でゆっくり金属を切り開いてゆくより仕方がない。
もどかしいけれど、二次災害を避けるためにもそうするしかないのだ。

救出された若者は下半身が身動きできない状況で、死者に挟まれながら(生きのびられたのは死者がクッションになったからだろう)携帯電話で身内と連絡をとった。「ぼくは生きている」。

夫や妻や子供や親や仲間や恋人や知りあいを探す人々がどこにいるのか分からない「どこにいてもいいからあの電車には乗っていないで」と思いながら、今もなお携帯に電話をかけ続けているだろう。

想像できるだろうか。
しばらくの間は呻き声、叫び声、泣き声があがっていた暗闇のなかに、しだいに静寂が訪れる。その静寂を破るのは、ときおりあちこちで鳴る携帯の着メロ、着信音だ。
それは今もなお、鳴り続けている……。
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官能作家・館淳一。趣味は路上観察、雑学研究からセーラー服ウォッチング、美女装子探しまで、なんでも探索。
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