ぐらんぴ日記

mixi上で「ぐらんぴ」が書いている日記の引っ越し版です。文字サイズ変更できます。

GIプレスリー 2011年09月17日

plesley5.jpg


ウォーキングとか事務所の行き帰りとか、ちょっとヘバる時があるんです。階段や坂道をテコテコ上ってる時とか。
そういう時に自分を鼓舞しようと歌う歌ってあるでしょ。マーチとか軍歌とか。
私の場合、ついつい口ずさむのが『GIブルース』。

♪こきょうを離れて はるばる GIさ
 こきょうを離れて はるばる GIさ
 あの町この町 こきょうを思い出す
 うたう Hop two three four occupation GI Blues



この、 ♪Hop two three four, occupation GI Blues!
と歌う時の調子がね、兵士が行進する時の歩調なんで、足が喜ぶの。(^_^)

プレスリーが、自分が主演した映画の同名主題歌として歌ったこの歌は1960年代の日本でもかなりカバーされました。
一番最初に訳詩で歌ったのは佐々木いさおだったでしょうが、私の耳に慣れ親しんだのは坂本九バージョン。

http://www.youtube.com/watch?v=kYTTqJ1gcAk

歩いてる時に歌うのは、もっぱら「♪こきょうを離れて」。
余談ですが、この作詞(訳詩とはいえない)をしたみナみカズみという女性は、のちの作詞家、安井かずみです。加藤和彦夫人(故人)ですね。無数の訳詩作詞をこなした彼女のデビュー作が、この「こきょうを離れて」だったのです。
英語の歌詞はちょっと難しい。(^_^;)
本家の歌はこっち。

http://www.youtube.com/watch?v=JosUZjWUAkQ

plesley3.jpg


エルヴィス・A・プレスリーは、人気絶頂の1958年、23歳で当時の徴兵制度に従ってアメリカ陸軍に徴兵され、軍務につくことになりました。
これはかなりの騒ぎになったですよ。応召期間は2年。何百万ドルと稼ぐプレスリーが月給わずか80ドル足らずの金で一介の兵士になってしまうわけですからね、音楽産業、映画産業にとっては大損失。キムタクが人気出たところで二年間自衛隊に入りなさいと言われたようなもんです。
選抜徴兵ですから、たぶん徴兵回避の手はあったと思うのですが、プレスリー本人は喜んで(外見は)兵役についたのです。(この態度がアメリカ国民に好評で、若者の間だけではなく成人世代にもプレスリーが受け入れられる重大な契機となりました)

1960年、派遣されたドイツでの勤務を終えて満期除隊するやいなや、ハリウッドは彼の兵役時代をそのまま映画にすることにし、その年のうちに『GIブルース』を完成、公開しちゃいました。商魂たくましー(国防省、陸軍が全面協力、現地ドイツロケを敢行)。
私が映画館で観たのは高校三年生か大学一年生だろうと思います。
サービスユニフォームのプレスリーがめちゃカッコよくて、憧れましたねえ。
ええ、私や非国民アメリカ大好きミリタリー少年だったもので。(^_^;)

で、昨日も帰宅の途中、地下鉄の階段を二段とばしであがりながらGIブルースを歌ったのですが、、ふと思いました。
「エルヴィスの軍歴ってどんなものだったのだろうか。どこで軍務についてたんだろうか」

映画『GIブルース』は兵士プレスリーの経歴にわりと忠実に作られています。
実際に配属された駐屯地でロケもされています。
映画の記憶はかすかなものになりつつありますが、確か戦車兵だったと思います。戦車のなかで戦車砲を撃っていたシーンがありました。では実際でも戦車兵だったのでしょうか。

plesley4.jpg

Googleで探索してみると、おあえつらえのホームページがありました。

Call me Spearhead...!

3ADというのは、3rd Armor Division、第3機甲師団です。
そこに所属していたベテラン(退役軍人)たちが作っているホームページ。
ここではプレスリーのために、特別一ページを割いています。右にあるリンクのうち「SGT Plesley」というのがそうです。師団のアイドルであったわけですね。誰かれに説明するのに分かりやすい。
「ドイツ駐留でどこにいたかって? ほら、プレスリーがいたのと同じ師団だよ」

これを読みますと、こうあります。

HQ Co.1st Medium Tank Battalion, 32d Armored Regiment

これを訳すのにちょっと困難がありました。なに、住所と同じなんですね。日本の場合は大きい所属から小さい部署へと列記してゆきますが、米軍では小さい部署から大きな所属へと記すのです。
正確かはどうか知りませんが、こうなるでしょう。

第32機甲連隊司令部隷下第1中型戦車大隊。

ちなみに欧州に派遣された米陸軍のオキュペイション・アーミー=占領軍(中途で駐留軍になるのですが、それでもオキュペイションという名称は使われたようです)は、米軍のなかでも第7軍と称せられます。
プレスリーが配属された部隊が駐屯したのは、Hesse州フリートベルクFriedbergという町です。フランクフルトの北、およそ30キロに位置します。そこにレイ・バラックスと呼ばれる駐屯地がありました。兵舎のほか、重要な軍需物資、武器、兵器、弾薬の補給基地でもあったようです。

フリートベルクを Wikipedia で見てみました。

http://en.wikipedia.org/wiki/Friedberg,_Hesse

そこでは、

Friedberg was the home to the U.S. Army installation Ray Barracks. From approximately 1956 to 1997, Ray Barracks was the home of 3rd Brigade 3rd Armored Division. Elvis Presley served in1st Bn 32nd Armor,whose motor pool and tanks were used in filming Presley's "GI Blues" (1960).


と記されています。
プレスリーは、第3機甲師団第3旅団第32機甲連隊第1大隊に配属されたというんでえすね。
で第3機甲師団のホームページの冒頭にあるプレスリーがペナントを掲げている写真(下)には、COMPANY "D"とありますでしょう。これはD中隊ですかね。

plesley1.jpg


ということを総合すれば、プレスリーが配属されたのは、
アメリカ合衆国陸軍欧州派遣第7軍第3機甲師団第3旅団第32機甲連隊第1中型戦車大隊D中隊
だったのでしょう。(うーむ、正しいかどうか)

だからどうした。

そう言われると困るのですが。(^_^;)

兵種ですが、実際のところ、彼は戦車兵ではなかったようです。ジープの運転兵だったらしい。
冷戦たけなわの頃ですから、東ドイツなど東欧のワルシャワ条約機構軍と対峙していれば、いつ何時、戦争が勃発するか分かりません。そうなると敵の戦車隊と激突する戦車兵は死亡率が非常に高いでしょうから、人気者のプレスリーをすぐ死にそうな任務にはつけられなかったのではないか、という気がしますね。この頃はまだ「バルジ大戦車戦」「クルスク大戦車戦」の悪夢がなまなましい時だったでのです。

時々、慰安とか軍の宣伝のために歌わされたりしたようですが、プレスリーは真面目に軍務をこなし、優秀な射手としてバッジを貰い、勤務状態誠実にして熱心と認められ、軍曹に昇進してE5ランクで満期退役しています。新兵から五階級昇進したわけですね。その階級章がついた制服を着ている写真が下です(退役時の現地での記者会見でしょう)。

plesley2.jpg

GIブルースを歌っている制服の左袖に三角形のかなりカラフルなインシグニア(記章)がありますね。

plesley_insignia.jpg

スリーブインシグニアと言うんですが、これは所属師団章です。3と書かれているのが第3機甲師団。下にSPEARHEADとあります。師団の別称「槍の穂先」です。先陣を切る部隊、先鋒ということなのでしょう。

また、同じサービスユニフォームの左右の袖にある銀杏の葉型の階級章ですが、

plesley6.jpg

これは技術兵・下士官の階級章になります。specialist lank insignia。
戦車部隊に所属しているというのがこれで分かります。
上に白い一本線がついていることで一等兵。

余談になりますが、映画で共演したのはジュリエット・プラウズ。お色気たっぷりの歌って踊れる女優。いわゆる美人ではありませんが、私は好きでした。

juliet_prouse.jpg


機会があれば諸氏も映画『GI ブルース』をご覧になってください。能天気で面白く、絶頂期のプレスリーの歌をたっぷり楽しめます。

しかし考えてみれば、プレスリーは応召したことによって、アメリカ軍部に多大な貢献をしたことになります。徴兵されるなんてイヤなことだけど、プレスリーだって兵隊になった。映画のGIのように、カッコいい制服着て、ドイツあたりで若い娘といちゃいちゃするのも悪くない、って気にされるじゃないですか。
これは先に述べたように、本人のキャリアにとってもよい結果となりました。愛国精神を刺激し、兵役についたことのある大人たちの共感を得たでしょうから。プレスリーは親たちの世代にとって「戦友」として迎えられることになったのです。

このあと、冷戦の緩和を迎えてアメリカでは徴兵制が廃止されました。
しかし数年後、ベトナム戦争の激化に伴い復活されます。
映画『GIブルース』が作られ、見る人を楽しませたのは、平和がわずかな隙間から顔を覗かせた時代だったのですね。
ふむ、確かにベトナム駐留軍を扱って恋あり歌あり踊りありなんて能天気な映画は無かったですものねえ。

(註:GI=G.I.とはgovernment issueの略。官給品が本来の意味。兵士は頭のてっぺんから爪先まで官給品で包まれる存在なので、それを揶揄した「兵士」「兵隊」の米俗語)

イイネ!(5) きた 寿@麻屋ロープ三島 のぶ翁。 白馬 水星騎士(゚-゚)牙魅!
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コメント

ぐらんぴ 2011年09月17日 16:40
このドイツでの兵役ちゅう、ある軍関係のパーティで、プレスリーは空軍士官ポール・ボーリューの娘だったプリシラ・ボーリューと出会います。プリシラ時に14歳。その7年後、二人は結婚することになるのです。

ぐらんぴ 2011年09月18日 02:04
思えば、坂本九が「GIブルース」を歌った当時は、九はまだ独立していなくて、ダニー飯田とパラダイスキングのボーカルでした。後ろのコーラスがパラキンですね。知らない人が多いでしょう。

ぐらんぴ 2011年09月19日 04:24
Medium Tankって何だと思って調べたのですが、たぶんM4戦車でしょう。
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八月の濡れた砂 2011年08月29日

8gatuno_nuretasuna.jpg


8月の歌となれば、私のなかではやっぱりこれですね。

http://youtu.be/VJgK9E_n8M4


若い人のなかには歌は知ってるけれど、藤田敏八監督の映画は知らない人が多いだろうと思う。

去年のサンスポ講座で、高橋源一郎教授(明治学院大、国際情報学科)が、自分の授業で『八月の濡れた砂』を見せようとしたら、学校当局からストップをかけられた、と話していましたね。
「学生に対してセクハラにあたる」
と言われたんですって。
大学というのも不自由なところだなあ、と思いましたね。

(去年の高橋源一郎氏の講義については↓)

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1560926810&owner_id=170858

私が大学で講師やったらたちまち八つ裂きにされちまいますね。(^_^;)
サンスポの講座では、教材として女装子さんや裸女を使ってしまったのですから。

いや、もっとひどい人がいたか。一昨年だったか講師をつとめた橘真児さん。
女性100人のお尻の穴を100個(100穴というのか)実写したアダルト DVD を教室のモニターにえんえんと映しだして、その一つ一つに講評を下していた。
5000円の受講料を払って尻の穴を見せられた出席者が、よく怒らなかったと思う。(笑)

イイネ!(5) ピンクの仔猫ちゃん ゆずきいくと Mio Commander-紫弩 冴月さくら
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コメント

爪あと 2011年08月29日 05:31
陽水の奥さんの歌は知っていましたが、映画そのものはiTunesでレンタルしてつい一年くらい前に長距離移動中の電車の中で見ました^^

ぐらんぴ 2011年08月29日 06:08
>爪あとさん。それじゃどんな映画か記憶に残ってますね。私はすっかり忘れた。(笑)一番最初に、男たちにレイプされたヒロインが砂浜に投げ捨てられるところだけ覚えてるかな。

猫神博士 2011年08月29日 06:19
『八月の濡れた砂』は30年くらい前はテレビ放映されていた記憶があります。土曜の夜、日本映画名作劇場という番組でした。深夜ではなく、午後9時からの放送でした。石川セリだと「遠い海の記憶」という歌も好きです。

ぐらんぴ 2011年08月29日 07:04
>猫神博士さん
そうですか、『八月の濡れた砂』は、にっかつロマンポルノ体制に移行する前の、旧日活が製作した最後の作品だったのですね。しかし藤田敏八監督がロマンポルノで活躍したせいで、この作品も「ロマンポルノ」だろうという誤解が生じたんじゃないでしょうか。30年前、テレビで堂々と放映されたのは、そういう誤解がまだ生じていない時期だったからでしょう。高橋源一郎教授はそのことを言って大学当局を説得しなければ。(笑)

猫神博士 2011年08月29日 16:47
『八月の濡れた砂』に主演されたテレサ野田さんは、その後いくつかの特撮ドラマにも出演されていて思い出深い女優さんです。久しぶりに映画の方も観たくなってきました。

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官能作家・館淳一。趣味は路上観察、雑学研究からセーラー服ウォッチング、美女装子探しまで、なんでも探索。
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