ぐらんぴ日記

mixi上で「ぐらんぴ」が書いている日記の引っ越し版です。文字サイズ変更できます。

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未来を視る 2012年06月28日

マインドリーチ表紙

前の日記で紹介したけれど、人間は時として未来を視てしまう。
その例をあげるとしたら、この書だろう。

『マインド・リーチ~あなたにも超能力がある』(1985年、集英社)

http://www.amazon.co.jp/マインド・リーチ―あなたにも超能力がある-1978年-ハロルド・パソフ/dp/B000J8R4LG

実質、私が翻訳、リライトした書なのだが、Amazon のマーケットプレイスに出品されている。1960年代末から研究が行われていたリモート・ビューイング「遠隔視」(日本語にすれば千里眼)という超能力に関する実験とその検証を記した書。

スタンフォード研究所の研究員、ハロルド・パソフとラッセル・ターグが「人間には離れたところを視る能力がある」と仮定し、最初は名の知られた超能力者を使って実験を行っていた。あらゆる阻害要因を排除し電波も入り込めない密室のなかで二重盲検法を使って実験は進められた。驚いたことに彼らは、ビーコン(緯度経度など)の断片的な情報を与えられただけで,そこに何があるのかを「視て」しまう。
ある時、まったくの素人にやらせたら、これが成功してしまった。他のアマチュアも同様だった。遠隔視能力はふつうの人間にも付与されているらしい。

さらに、実験を始める前に、被験者がこれからやる実験の、その結果を見てしまう「未来視」まで確認される。

最後は高温高圧のガスの底にある木星の核の状況まで透視してしまう、その過程は実にスリリング。
パソフらのこの研究はアメリカ軍部の注目するところとなり、研究者は国防省とアメリカ陸軍にスカウトされ、公の研究は封印されてしまった。米軍はこの研究をもとに「遠隔視部隊」を編成、敵の奥地や脳に潜入する作戦を実行してゆく。この作戦は『スターゲイト作戦』として、後世一部が明らかにされている。
この書は軍によって封印される前の、唯一の公開された遠隔視能力実験の成果である。

私は翻訳リライト料として集英社から30万円をもらってそれだけ。どこにも名前はクレジットされていないので、復刻されても一円にもならないのだが、この幻の書を復刻してもらいたいものだ。
復刊ドットコムにも登録されている。

http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=27890
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イイネ!(4) ひな_shella あやのすけ 若にーる 退会したユーザー
ぐらんぴ2012年06月28日 11:35 削除
装丁は田名網敬一さんですね。視ただけで分かる。(^_^;)
ぐらんぴ2012年06月28日 11:40 削除
実は、私の作品の一つは、この『マインド・リーチ』で明らかにされた遠隔視能力を持つ女性がヒロインになっています。さてそれはどういうタイトルでしょうか。
のぶ(nob)2012年06月28日 12:04 削除
Japan Skeptics会員(元理事)としては読むべきかな。ところで上のAmazonへのリンクに見えるのをクリックすると復刊ドットコムに飛んでしまいます。提携してたのかと思った。
ぐらんぴ2012年06月28日 14:49 削除
>のぶ(nob)さん や、リンクミスでした。貼り直しました。ご指摘ありがとうございました。m(__)m

ぐらんぴ2012年06月28日 16:59 削除
パソフらがスタンフォードでやった実験は、基本的にこういうものでした。
(1)被験者とビーコン(標識者)と問題提出者の3者がいる。
(2)問題提出者はビーコンの行く先を地図上から10カ所選び、それを10枚の封筒に入れて密封しておく。
(3)問題提出者は実験の数時間前、ビーコンに「実験開始は●●時。実験1時間前にこの封筒をランダムに選んで開け、記されている目的地へ行く。そこに30分とどまり周囲の状況を写真などで記録せよ」と命じる。もちろんビーコンは単独で行動し誰とも連絡をとらない。
(4)問題提出者は被験者に「実験開始時間は●●時。実験開始時間に実験室に入り、遠隔視の瞑想を開始せよ。脳に浮かぶ映像を記録せよ」と言う。
(5)実験が終わったあと、問題提出者はビーコンがどの目的地を選ばされたかを聞き、●●時からの、そこでの行動の記録を受け取る。
(6)問題提出者は被験者から●●時から始めた遠隔視の脳内映像の記録を受け取る。
(7)問題提出者は両者のデータを比較し、どれほど一致していたかを検討する。
……実験室は外部から電磁的にも物理的にも遮断された密室であり、実験時間ちゅうは外部と連絡がとれない。
また、目的地はビーコンが封筒からアトランダムに選ぶため、問題提出者でさえ●●時にビーコンがどこに行くか予想できない。
もちろん被験者とビーコンの間は連絡をとる手段がないのだから、ここに二重盲検法が成立する。
その結果、驚くほどの確率で超能力の実績のある者、ない者が同じような遠隔視能力を示すことが分かった。つまり人間は本能として遠隔視能力を付与されている。

アメリカ国防省がこれを知って驚愕したのは分かりますね。敵地に潜入したスパイ、テロリスト、あるいは墜落したパイロットなどがビーコンとなり得るなら、通信手段の無い状況でも目標の状況が察知できるわけです。パソフらは拉致されるようにして軍部に囲いこまれ、遠隔透視部隊の編成と訓練と作戦の実施に関与することになります。これがスターゲイト作戦。

しかし「軍用遠隔視兵士」は、当局が期待したほどの成果をあげられず、湾岸戦争前には解散させられていたと思われます(極秘裏に今も部隊が活動しているかもしれませんが)。どうも「占い」や他の超能力同様、遠隔視も「利害」「報酬」がからむと好成績をあげられないのではないか、という気がします。未来視も確認されているのですから、明日の株価市況、競馬の結果が今日分る。遠隔視と未来視が出来る人間は富豪になり得る理屈ですが、そういう事業を実際にやろうとした研究者たちは成功していません。遠隔視の最大の弱点はそこにあるわけですが、それが悪用を妨げているとも言えます。うまく働かないことでこの世の秩序が保たれている。
ぐらんぴ
ぐらんぴ2012年06月28日 17:05 削除
最近の日本の研究でも「離れたところで身内の死を知った人の半数以上が何らかの「お告げ」を受けた体験をしている」と発表されました。死につつある身内をビーコンとして、その人に死の情報が伝わったとすれば、これも遠隔視同様の現象だと思われます。
ぐらんぴ2012年06月29日 13:44 削除
パソフらの実験における未来視は、次のようなものであった。
定められた実験開始時刻より前に密室入りした被験者が瞑想を始めたところ、ある光景が浮かんだので、それを記録した。
この時点ではビーコン(標識者)さえ目的地を選んでおらず、自分がこれからどこに行くかを知らない。三重盲検法になってるわけだ。しかしアトランダムに選んだ目的地へ行き周囲の映像を記録し、帰ってみたら、被験者の「見た」映像と一致していた。被験者は30分から一時間後に起きるはずの未来を視ていたわけだ。
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数秒の未来 2012年06月27日


去年のサンスポ講座で高橋源一郎氏が宣伝していた『嘘みたいな本当の話』、応募するのをすっかり忘れていたら続刊がすでに出ていた。

『嘘みたいな本当の話みどり』(高橋源一郎、内田樹 選、イーストプレス、1000円)

http://www.amazon.co.jp/嘘みたいな本当の話-みどり-日本版ナショナル・ストーリー・プロジェクト-内田-樹/dp/4781608000


まだ全部読み終えていないけれど、気にいった話があったので、紹介しておこう。(要旨リライト)

>「ある夜の出来事」
 仕事帰りのある夜、いつも通りに車を運転していた時のこと、
 百メートルぐらい先の信号が赤になり、歩道上に渡ろうとしている歩行者がいることを確認したので徐行、横断歩道に近づきながら、そろそろ歩行者が渡りだすな、と思ってそちらに目を向けると誰もおらず、信号も青のままだった。しかしそのまま進んでゆくと信号は赤に変わり、先ほど見た歩行者が現われて、私の目の前を横切っていった。。

 そうです、少し先の未来を見てしまったんです。
 ほんの数秒間の出来事。

未来視はときどき起こる。本人がそのことに気づかないでいる場合も多いと思われ。
しかし数秒先の未来を見た例は私の記憶では少ない。

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イイネ!(3) きた ナゾマ みゆき(M1号)
Mio2012年06月27日 11:08 削除
映画のようは話ですね。
私は体感したことがないですが、実際見えてしまったら怖い気がいたします。
ぐらんぴ2012年06月27日 13:25 削除
この本のなかで一番面白く笑わせるのは、高橋源一郎があとがきのなかで紹介したエピソード。どこかの大学でエッセイ大賞みたいなものを創設、応募者のなかから「父を亡くして苦労しながら生きている」女子高生のエッセイを大賞に選んだ。当日、女子高生の傍らには満面の笑みの中年男。誰かと訊いたら「父親です」授賞式は大混乱。女子高生いわく。「エッセイって本当のことを書かなきゃダメなんですか?」授賞式は中止。賞はストップ。その回一回きりで消えた。エッセイ賞の応募要項には「フィクションはダメ」と書かなきゃいけない時代になった。

アシシ。2012年06月27日 16:04 削除
作家のエッセイでは、あとで嘘だったと分かるものがありますよね。
わたしは立原正秋が好きなんですか、死後、ずいぶんとエッセイで虚構の自分を書いていたと分かりました。
騙された気分でしたが、小説家はもともと嘘つきだから、しかたないのかなとも……。
彼の場合は、コンプレックスもずいぶんとあったようですが。
ぐらんぴ2012年06月27日 16:24 削除
高橋源一郎氏も「エッセイはウソを書いたらいけないのか。どこまで虚構が許されるのか」と悩んでましたね。

ゆうき2012年06月28日 05:57 削除
私が高校生の頃、三人組で三つのテーマで書いた文章を学校ごとで競う作文大会があった。
当時優勝した作品は、沖縄の家庭でペットのように育てたヤギを、家族の祝い事の席のため、つぶしてヤギ汁にした話。
これも優勝した沖縄の高校生が、後日虚構の文章だと発言。
ゆうき2012年06月28日 05:59 削除
何よりもショックを隠せなかったのは、その文章に感銘を受けた、我が高校の国語教師でした(笑)
ぐらんぴ2012年06月28日 09:25 削除
>ゆうきさん 虚構(フィクション)がいかに大事なことか、逆に説明できますね。有名なのは「一杯のかけそば」。

死者からの通信 2012年06月12日


道尾秀介氏のツイート。あまり怖くないから大丈夫だよ。「不思議だなあ」と思うぐらい。

michioshusukeいま聞いたばかりの、知人の話を連続ツイートします。12時くらいにツイートした、例の霊現象の件。とりあえず聞いたことをそのまま書いてみようかと。

michioshusuke①はじまりは今年の四月。彼は横浜の根岸から都内に通勤しているのだけど、途中で眠ると必ず川崎・鶴見間で目が醒める。すると正面の窓に青い円が浮かんでいて、それが、見るたび小さくなっていく。最初は窓一杯だったのが、いまは握り拳ほど。それを見るようになってから、様々なことが起き始めた。 via web
2012.06.12 15:34

michioshusuke②仕事で日比谷線に乗ると、小伝馬町で必ず身体が動かなくなる。そして開いたドアから、まるで遠足のように、子供がたくさん入ってくる。ぴかぴかのランドセルの子もいれば、ボロ服の子もいる。なんだこれ、と思っていると、やがて突然身体が動き、子供たちは消える。 via web

michioshusuke③彼の事務所は東京駅の高架下にある。夜になると、上を電車が通るたびにドアがノックされるか、呼び鈴が鳴る。出てみると誰もいない。電車は頻繁に通り、そのたび同じことが起きる。夜は一人でいることが多いので幻聴かと思っていたのだけど、部下がいたときも、やはり同じことが起きた。 via web

michioshusuke④昼間1時に祖母の家から携帯に着信が入り、かけ直してみると祖母が出た。もう何年も会っていないので「よく番号わかったね」「うん」「元気でやってる?」「元気だよ」みたいな話をして電話を切った。夕方、親戚から連絡があり、祖母が亡くなったと言われ、息を引き取ったのが1時頃だった。 via web

michioshusuke⑤十数年前に水戸の営業所(住宅関係の部署)にいた時のお客さんから、先日会社宛に電話があった。「過日は良くしていただき…」という、よくわからないお礼の電話で、とりあえず水戸の営業員にすぐ訪問するよう指示した。その日の午後、「いま着いたんですけど、その人の葬式やってます…」との電話。 via web

michioshusuke……とまあ、そんな話。「おまえ疲れてるんだよ」と言ったら、「だよなあ」と笑っていた。話すだけ話して、帰っていった。

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イイネ!(16) katze 猫神博士 退会したユーザー ゆずきいくと サカナオオキイ ロキ うみの ナゾマ 帰ってきたももにゃん ひとみ
ナゾマ2012年06月12日 19:11 削除
事実っぽいですね。読むだけで、目の前が揺れます(爆)
ぐらんぴ2012年06月12日 21:59 削除
最初に見えて今も見えてる、電車の窓の向こうに見える青い円って……。初めてですね、こういう体験の人は。
ぐらんぴ2012年06月12日 23:21 削除
だんだん小さくなってゆく青い円が見えなくなった時、彼の霊感はどうなるかですね。
ナゾマ2012年06月13日 17:53 削除
変な霊がついて霊感に目覚める事もありますので、その場合は、興味を示さないことが一番ですので、青い円が見えなくなって霊感も消えてくれるのが一番ですね。
あやのすけ2012年06月13日 19:22 削除
興味を示さない方に、一票。青い光は小さくなってるんじゃなくて、焦点が合わなくてぼけて見えていたのが、ハッキリ見えるようになってきている可能性も・・・。消えるならそれに越したことないですけれど。

窓の外をよぎる人影 2012年04月02日

一応、しめくくっておきましょう。
何のことか分からない人、忘れた人は、

http://jun1tate.blog25.fc2.com/blog-entry-1968.html

の最初のコメントを読んでください。

悲劇は、Тくんが二度目のおふざけを実行した時に起きました。
週刊明星テレビ班が入稿している会議室に、前回同様、窓から入ろうとしたТくんは、その途中で外壁についた30センチの張り出しから足を踏み外し、4階から地上へ墜落してしまったのです。真下は社員通用口で、その庇がクッションのようになって、モロに地上への激突は免れたのですが、やはり即死状態でした。(私はその日、集英社には顔を出していなかったので、すべて翌日に聞いた話です)

まだ若い妻と生まれたばかりの子供を残して死んだТくんの葬儀には私も参列しましたが、それは悲しいものでした。死因が死因ですからね。「酔って悪ふざけしたあげくの墜落死」

それから半年ぐらいのことだったと思うのですよ。記憶は確かではないけれど、まだТ君の思い出がなまなましい時期でしたから、一年以内ではないかと。
その時は私も週プレの編集部にいて、4階の、事故が起きたのとは別の会議室でアンカーの仕事をしていました。その合間、夜の10時ぐらいかな、息抜きにふらりと3階の編集部に降りると、初めて見る人物が編集部の一画に設けられた応接コーナーに寛いでいました。その号の特集企画にネタを持ち込んだルポライターさんでした。週プレの編集部どころか集英社の一つ橋ビルに来るのも初めて。
彼は、その日、例の事件が起きた会議室をあてがわれて仕事をしていました。
午後から詰めていたので、原稿はその時点でもう上がっていて、彼は仕事から解放されてホッとひと息ついていたところ。その応接コーナーは夜ともなればみんなが適当に買ってきた酒を飲んでダベる場所です(深夜になればソファで仮眠するものも)。
「まあ、ビールをどうぞ」みたいな形で、編集者が一応は客であるライターさんにすすめて、和やかな雰囲気で小規模な宴がもたれていました。私はその時点、まだ仕事が完了していないので、飲めません。近くでボーとしていた。
その時、初めて来たというライターさんが妙なことを口にしたのです。

「この会社、夜に窓拭きをやるんですか?」

(この話続きます)

イイネ!(11) ゆめち わらねこ@笑夢猫 ゆうき かおる姫 ひな_shella 鈴木輝一郎 Mio Sheena みゆき(M1号) アシシ。
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コメント

鈴木輝一郎2012年04月02日 18:04
「夜に窓拭き」がオチですがな(^_^;)

ぼく自身は、うんざりするほど葬式にかかわってきましたが、この手の霊感はまるっきり、ですねえ。

一度、さるシティホテルで中庭を挟んだ向かい側から全裸の男がじっとこちらを覗いていて、翌日フロントに確かめたらその部屋は空室だった、ってことがありましたが、これは「幽霊じゃないほうが怖い」ってたぐいの話で。

鈴木輝一郎 by desktop
コメント

ぐらんぴ2012年04月02日 18:44
ありゃ、噺家がお客さんにオチつけられちゃった。(*_*;)

ぐらんぴ2012年04月02日 18:46
もう少し引っ張るつもりだったけど、オチがついたのでこれまで。

ぐらんぴ2012年04月03日 18:53
そうか。「妙なことを口にしたのです」で、「続く」にしておけばよかったのだな。
そうすれば、オチをつけられることはなかった。誤算であった。(;_;)くよくよ。

鈴木輝一郎2012年04月03日 22:32
いや、このオチのほうが怖いっすね(^.^) どういうふうに見えていたかよくわかるし、目撃者が何も知らないのが一層(^_^)

心霊動画とか写真とかよく見かけますし、まあ、そういうのは見たことないけどいるんだろ、とは思いますが、ものの見事に怖くない(^_^;
心霊スポットにわざわざ出かけて安眠してる死者の霊をおもしろ半分に叩き起こすのは死者に失礼、とは思うんですが。

ちなみにぼくの怖いのは、欲がなくて尻が軽くて口の固い美女です。だれか怖がらせてください(^.^)

呼びにきた父親 2012年03月25日


達本外喜治『北の国の食物誌』(朝日文庫、1988)を読んでいたら『ラーメン』の項目にこういう記述があった。

料理人である私の父は、家の中に支那そば(*屋台の)を持ちこむことを嫌がった。私はいつもB(*友人)の部屋で食べた。そのころ父は、胃潰瘍で床についていた。私は癌だと思っている。
 その晩も私は、Bの下手なマンドリンを聞きながら、支那そばをすすっていた。そのとき戸外で、コンコンと聞き覚えのある咳が聞こえた。ふとのぞくと、それはいつも床についている私の父で、凹凸の雪道を困難そうに提灯をさげて歩いている。まるい火輪がゆれ、父がBの家に入るところまでみた。
 Bの母親が二階まで来たので、父はなんの用事できたのかと尋ねた。だれも来ませんよ、と不審そうな返事だったが、すぐそのあと、父の死の知らせがあった。
 私は支那そばのドンブリを蹴っころがし、中二階から駆け降りた。


「死者の知らせ」の一様態であるが、受けた当人は非常に意識がハッキリした状態でいる。何せラーメンを味わって食べているわけだから。興味があるのは、父親独特の咳が聞こえた、という部分だ。聴覚によって、窓から覗いて下の道を見る、という行動が誘発されている。雪道は足音がしない。咳でもなければ締切った窓の外に注意が行くことはないだろう。
そこで、この家にやってくる父親の姿を見る。息子が、不審に思ったけれども驚かなかったというのは、病床にある父親が瀕死の状態であるとは考えていなかったからだろう。寒夜、歩けるほどの体力はあると思われるぐらいの状態。つまり死の到来を体感的に予測する以前のことであった。前に書いた永井龍男の幻覚とは違う。入眠時幻覚の可能性はない。そういう点では興味深い「知らせ」の形態だ。

ご自身か身の回りで似たような「死者の知らせ」の体験があるかたは教えてください。

イイネ!(12) 鈴木輝一郎 アシシ。 みーや ナゾマ あやのすけ こもも たっちん かおる姫 きた 日立ってゆうか現代
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コメント

ぐらんぴ2012年03月26日 17:51
誰も体験とか(また聞きでもいいんだけど)書いてくれないから、ちょっと私の体験を。
某S社、と書いてもまあみんな分かるから集英社と書くけれど、二十年も前のことだ。
当時私は週刊プレイボーイと週刊明星という(これは廃刊)編集部でアンカーマンをやっていた。記者やデータマンが取材してきたデータ原稿を記事にまとめる仕事。
週刊プレイボーイのほうにТという編集者がいました。当時30代前半、バリバリの働き盛り、結婚してて子供も生まれたばかり。元気のいい編集者でしたね。
その頃は集英社の神保町本社というのは、まだ古いビルで七階建てぐらいの細いビルでした。今のように威風堂々としたビルではなかった。このビルの特徴は、上から見て四角いビルの北、東、南面が全面ガラス窓だったこと。といってもダイヤガラスというのかな、表面がザラザラして光が乱反射するので、早い話がごく粗いスリガラス。
そして腰高の窓を開けるとそこに幅三十センチぐらいの張り出しがある。よく映画で自殺志願者が窓の外に立って「近づいたら飛び降りるぞ」と言ってるシーンがあるでしょう。あんなふうに立てるだけの幅の張り出しが三面ぐるりと廻らされている。たぶん、窓ガラスを清掃する時に便利なように付けたんだと思う。
当時は四階に会議室兼ライタールームというのがありました。大小幾つかの部屋があって、打ち合せをしたりライターが篭って原稿書いたりしてた。私もまあ、ワープロ使う前はそういう部屋に閉じこめられて「さあ書けやれ書け」と言われてせっせと原稿を書いてたんです。
ある日、というかある夜というか、その週プレのТくんが外でいっぱいやって社に帰ってきた。原稿待ちの場合、編集者は適当に外で食事したり飲んだりするのは、まあふつうのこと。その時、Тくんは気分がよかったのかちょっと飲み過ぎてハイになっていた。いわゆる「ゴキゲン」という状態。
その夜、四階会議室の東南角の中会議室には週刊明星のテレビ版が篭って、テレビページの入稿を行なっていた。テレビ班というのはだいたいが原稿料雇いのフリーの記者が多く、それも若い女性が多かった。男二人に女性が四人ぐらい。
Тくんはこの女性たちの気をひきたかったんでしょうな。というのは当時の週プレ、女っ気があまり無かった。むさ苦しい男ばかりの編集部。どうしても若い女の子がいる週刊明星の編集部は隣の芝生、華やいで見える。無理もない。
初夏だったかな、まだ冷房も入らないのでどこも窓を開け放していた。その会議室も。
Тくん、彼女たちを驚かしてやろうと思ったんですね。別の部屋の窓から張り出しに出て、グルリと巡っている張り出しを伝って女性たちのいる会議室の窓の外まで辿りつき、「わー」とか言いながら飛び込んだわけです。まさか四階の窓から誰かが飛び込んでくるとは思わないから彼女たちは驚き、それがТくんだと分かって大笑いする。
ゴキゲンのТくん、ウケがとれてますますゴキゲンになったのですね。そこでやめておけばよいのに、しばらくしてもう一度、やってみようと思って、トライしたのです。
悲劇はそこで起きました。
(イイネ!を押さないと続きは書かないぞ)←脅迫

小夏マーマレード2012年03月26日 20:32
続きはなんとなく想像がつきますが…。


御祝儀でイイネ!を付けさせていただきます
コメント

ぐらんぴ2012年03月26日 20:39
これ一回、別のところに書いたから、そっちで読んで知ってる人も多いと思う。どうしたものかと考えてるところ。そうなんだよな、想像ついちゃうんだよな……。

あやのすけ2012年03月26日 20:57
正直落ちがないので書こうか悩んだのですが・・・。
我が母上はたまに突然思い立って喪服をカバンに詰め、旅行の準備をはじめます。さて旅行の準備が済むと家の電話がなり、誰々が危篤になったという連絡が入ります。我が家では「そういう死神のような真似はやめなさい」と言われています。・・・ってこういう話でいいんでしょうか?
コメント

ぐらんぴ2012年03月27日 01:59
>あやのすけさん そういう話でいいんですよ。「あれ? 偶然の一致にしては妙に続くな」という感じの場合「なにか」ありそうですよね。

あやのすけ2012年03月27日 14:43
よかった(ほっ)。
怪談話は色々ストックがあるのですが、ピンポイントで虫のしらせ系は持ってないですね。

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官能作家・館淳一。趣味は路上観察、雑学研究からセーラー服ウォッチング、美女装子探しまで、なんでも探索。
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